米国株の高配当銘柄として名の知られた「AT&T」であるが、財務状況やトランプ大統領に変わった際にどのように株価が影響するのかを解説していきます。ぜひご覧ください。
AT&Tの事業内容
有線・無線通信の回線提供による電話サービスやデータ通信サービス等を提供する広域通信事業者で、米国の主要通信会社である。アメリカではAT&Tを含む大手3社が通信サービス市場を展開しており、寡占状態であるため新規参入が難しい状況になっている。
7割近くを占めるモバイル(無線)通信の回線数では3番目の米国国内シェアに転落した。ただ、有線回線では最大シェアを有しており、米国で極めて重要な公共インフラを提供する巨大で公益性の高い民間企業といえる。
近況業績と予想
売上
大手の通信インフラ企業だけあって売上は毎年安定してほぼ、横ばいである。この横ばいは数年続くであろうという予想だ。したがって、大幅な売上減はないであろう。また、ここでは大幅な売上増も考えにくいと考えてもらえるとよい。いわゆるギャンブル性の低い企業であることが言えるのだ。
当期利益
2020年のコロナ禍により一気に需要が拡大した年から一変して2022年の純利益は大きく赤字に転じた。その理由として、新規の電話購入における大幅割引やネットワーク機器への支出増加による経営の圧迫や、消費者の経済的負担が新たな圧迫要因として浮上したことがあげられる。
しかし優先株の発行などで2023年には黒字化した。
自己資本比率
企業のHPと呼ばれる自己資本比率ですが、通常40%を基準として、それより高ければ財務上安心できるが、今回は割り込んでいるので注意が必要である。しかし、アメリカの巨大通信インフラ企業であるが故に、倒産しようものならばアメリカ全土にかなりの損失を被ることになる。したがって倒産というところまでは、なかなかいかないのではというのが当ブログの予想である。
配当利回りと配当性向
配当利回りを見てもらうと分かるように高い配当利回りを維持している。
2022年に配当金が約半分になっていしまった。しかし、配当利回り的には5%台であるので高配当の部類であることには間違いない。そもそも高配当を出す企業は成長企業というより成熟企業が多い。つまりこれ以上設備投資や新規開発投資をする必要があまりない企業が高配当を出す傾向にある。AT&Tも御託にもれず、そんなせいじゅく企業なのだ。
配当金と株価
やはり、2022年~2023年にかけて配当を減らした影響もあり株価が急落(25%安)している。
しかし、今年の末の株価予想では直近5年の中では最高の1株22ドル超えで終えるのでは予想する。
今の世の中、ITや通信系インフラは必要不可欠であり、なければ全ての経済が破綻するからだ。そう考えると、急落した2023年は絶好の買い時だったと考えられる。
PERとPBR
PER(株価収益率)は株価の割高か割安かを表す指標である。中央値や平均値から日本では一般的に15倍が一つの標準的な値とされている。しかし、アメリカでは基準(平均)が24倍と高い。また、その値は業種によって異なる。
業種:アメリカの電気通信事業においては平均で17倍なので一見割安感があるように見える。
しかし、2024年末には株価も上昇し、配当の指標がそれほど高くないためPERが上昇してきている。
それでもまだ買い時が遅いということはなさそうだが、今年中が買いのラストチャンスと見ている。
PBR(1株あたり純資産)は1倍より低ければ実際の価値より株価が安いことを表している。PERとは対照的に1.36倍は若干割高感があるとみることができる。
これら2つの指標は株価の影響を受けるので、より正確に株価の価値をみるROEを用いることが多い。
ROE
ROE(自己資本利益率)であるが、一般的に10%を超えると投資する価値のある優良な企業とみなすことができる。
赤字を出した2022年以外はほぼ10%以上をキープしている。今年こそ10%を若干割っているが、悪くはない値なのではないか。今後も安定的に経営をしていってほしい。
トランプ政権に代わってどうなるのか?
幸いなことに?、トランプ氏の公約に電気通信に関するものはなかった。しかし、関連することの中に、成長産業への支援では、AI=人工知能の安全性に関する新たな基準を設けることなどを盛り込んだバイデン氏の大統領令は、技術革新の妨げになるとして廃止するほか、暗号資産などを国民が自らの手で管理し自由に取り引きできるようにするとしています。つまり、電気通信が衰退するとは思えないので、安心して高配当株として持ち続けることができるでしょう。
今後の株価の見通し
2022年のバイデン政権時に株価が急落したが、正直底値であった感は否めない。
しかし、このころのアメリカはインフレの影響で利上げが続き、円ベースで考えるとそこまで下がっていないという事実もあった。
何はともあれトランプ政権はアメリカファーストであるのでアメリカの株価にマイナスになるようなことをするとは考えにくい。
そのことから、今後は2025年は23~26ドルを目指す展開になるのでは予想する。結論、今現在保有している人は持ち続けて配当金をもらう戦略が良いであろう。
コメント