【株価分析・株価予想】商船三井(9104)の企業分析【初心者投資・高配当】

株価分析(日本株)

 一昨年、特別配当を出して配当利回りが驚異の10%超えをたたき出した「商船三井」であるが、近年の業績や株価はどうなのか。近年も高配当株として名を馳せているが実際はどうなのか。
 今回はそんな商船三井について決算資料から見ていきたいと思います。

商船三井の事業内容

1. 海上輸送事業:

  • エネルギー輸送:
    • 原油、液化天然ガス(LNG)、石炭などのエネルギー資源を世界各地へ輸送。
    • 豊富な輸送実績と高度な技術力で、エネルギーの安定供給に貢献。
  • 製品輸送:
    • 自動車、コンテナ、鉄鋼製品など、様々な製品を輸送。
    • 世界中に張り巡らされた航路ネットワークと多様な船隊で、顧客のニーズに対応。
  • ドライバルク輸送:
    • 鉄鉱石、石炭、穀物などのばら積み貨物を輸送。
    • 世界的な資源需要の高まりに応え、安定輸送を支える。

2. 海洋事業:

  • 海洋資源開発支援、海洋工事、海洋エネルギー関連事業など、海洋に関する幅広い事業を展開。
  • 海洋分野における新たな価値創造に挑戦。

3. ウェルビーイングライフ事業:

  • フェリー・内航RORO船事業、クルーズ事業、曳船事業、不動産事業など、人々の生活に密着した事業を展開。
  • 「人々のウェルビーイングとライフスタイル」に貢献する非海運事業の柱として、新たな価値を創造。

近況業績と予想

売上

 売上に関しては結論から言うと、市場の変動に大きく影響を受けながらも、全体としては堅調に推移していると言える。

近年の売上高の傾向:

  • 変動要因:
    • 海運業界は、世界経済の動向、特に資源価格や貿易量に大きく左右されます。
    • 近年は、新型コロナウイルス感染症の影響や、地政学的なリスクなどが重なり、市場が大きく変動しています。
    • このような状況下で、商船三井はエネルギー輸送、製品輸送、ドライバルク輸送など、多角的な事業展開によって、リスクを分散させています。
  • 直近の動向:
    • 2024年3月期の決算では、売上高は前年同期比でわずかに増加しました。
    • しかし、当期純利益は大きく減少しており、市場の変動の影響が見られます。
    • 2025年3月期の業績予想では、売上高増加が見込まれており、回復傾向が見られます。

総評:

多角的な事業展開と、成長分野への積極的な投資が、安定的な収益に貢献していると言えるでしょう。

商船三井の売上高は、短期的な変動はあるものの、長期的な視点では成長が期待されます。

当期利益

 海運市況の変動に大きく影響を受けつつも、全体としては高水準で推移していると言える。

近年の当期利益の傾向

  • 市場の変動:
    • 海運業界は、世界経済の動向、特に資源価格や貿易量に大きく左右されます。
    • 近年は、新型コロナウイルス感染症の影響や、地政学的なリスクなどが重なり、市場が大きく変動しています。
    • このような状況下で、商船三井の当期利益も大きく変動しています。
  • 高水準の利益:
    • 2022年3月期、2023年3月期は、コンテナ船市況の歴史的な高騰により、記録的な高水準の当期利益を達成しました。
    • 2024年3月期はコンテナ船市況の落ち着き等により利益は減少しましたが、過去の水準から考えると高い水準を維持しています。

総評

  • 商船三井の当期利益は、海運市況の影響を受けやすいものの、事業の多角化や成長分野への投資により、安定的な収益基盤を構築しています。
  • 近年は、市場の変動により当期利益も大きく変動していますが、全体としては高水準を維持しており、今後も安定的な成長が期待されます。

自己資本比率

 企業のHPと呼ばれる自己資本比率ですが、安心できるラインである40%を上回っているので多少安心でき、ここ数年の自己資本比率の推移を見ると、着実に改善していることがわかります。

近年の自己資本比率の傾向

  • 継続的な改善:
    • 商船三井の自己資本比率は、近年着実に上昇傾向にあります。
    • これは、同社が収益性を向上させ、内部留保を積み増してきた結果と言えます。
    • 特に、2022年3月期以降、自己資本比率が大きく向上しています。
  • 財務安定性の向上:
    • 自己資本比率の向上は、企業の財務安定性を示す重要な指標です。
    • 商船三井の自己資本比率の向上は、同社の財務基盤が強化されていることを示しています。
    • 自己資本比率の向上は、外部からの資金調達への依存度を下げることにもつながります。
  • 事業戦略との関連:
    • 商船三井は、LNG輸送や海洋事業など、大型投資を伴う事業を積極的に展開しています。
    • 自己資本比率の向上は、これらの投資を安定的に進めるための基盤となります。

配当利回りと配当性向

配当利回りについて

  • 業績に連動した変動:
    • 商船三井の配当利回りは、業績の変動に連動して大きく変動しています。
    • 特に、2022年3月期、2023年3月期は、コンテナ船市況の歴史的な高騰により、配当利回りが大幅に上昇しました。
    • 2024年3月期は市況の落ち着きとともに、配当利回りも落ち着きましたが、それでも過去の水準から見ると高い水準です。
  • 株主還元への積極性:
    • 商船三井は、業績が好調な時期には、配当金を引き上げることで、株主への利益還元を積極的に行っています。
    • これは、同社が株主を重視していることの表れと言えるでしょう。

配当性向について

  • 安定的な水準:
    • 商船三井の配当性向は、概ね20~30%台で推移しており、安定的な水準と言えます。
    • これは、同社が将来の成長投資に必要な資金を確保しつつ、株主への利益還元も重視していることの表れです。
  • 業績に応じた柔軟性:
    • 商船三井は、業績が大きく変動する海運業界において、配当性向を柔軟に調整することで、安定的な配当を維持しています。

配当金と株価

配当金について

  • 業績に連動した変動:
    • 商船三井の配当金は、業績、特にコンテナ船市況に大きく連動しています。
    • 2022年3月期、2023年3月期は、コンテナ船市況の歴史的な高騰により、配当金が大幅に増加しました。
    • 2024年3月期は、市況の落ち着きとともに配当金も減少しましたが、過去の水準から見ると依然として高い水準です。
  • 株主還元への積極性:
    • 商船三井は、業績が好調な時期には、積極的に配当金を増やし、株主への利益還元を行っています。
    • これは、同社が株主を重視していることの表れと言えるでしょう。

株価について

近年は、世界的なインフレや金利上昇、地政学的なリスクなど、株価に影響を与える要因が多く存在します。

業績と連動した変動:

商船三井の株価も、業績、特にコンテナ船市況に大きく連動しています。

2022年3月期、2023年3月期は、業績の好調を受けて株価も大きく上昇しました。

2024年3月期は、業績の落ち着きとともに株価も調整局面に入っています。

市場全体の動向も影響:

株価は、海運市況だけでなく、市場全体の動向にも影響を受けます。

PERとPBR

PER(株価収益率)について

  • 業績変動に伴う大きな変動:
    • 商船三井のPERは、業績、特にコンテナ船市況の変動に伴い、大きく変動しています。
    • 2022年3月期、2023年3月期は、記録的な業績によりPERが低い水準となりました。
    • 2024年3月期は、業績の落ち着きとともにPERは上昇傾向にあります。
  • 市場評価の変動:
    • PERは、投資家が企業の収益力に対してどれだけの評価をしているかを示す指標です。
    • 商船三井のPERの変動は、市場が同社の収益力に対して評価を変化させていることを示しています。

PBR(株価純資産倍率)について

  • 比較的安定した推移:
    • 商船三井のPBRは、PERほど大きな変動は見られず、比較的安定した推移を示しています。
    • これは、同社の純資産が安定的に推移していることを示しています。
  • 割安性の指標:
    • PBRは、株価が企業の純資産に対して割安かどうかを示す指標です。
    • 商船三井のPBRは、1倍を下回る水準で推移しており、割安感があるとの見方もできます。

これら2つの指標は株価の影響を受けるので、より正確に株価の価値をみるROEを用いることが多い。

ROE

 ROE(自己資本利益率)であるが、一般的に10%を超えると投資する価値のある優良な企業とみなすことができる。

ROE(自己資本利益率)について

業績変動に伴う大きな変動:

商船三井のROEは、業績、特にコンテナ船市況の変動に伴い、大きく変動しています。

2022年3月期、2023年3月期は、記録的な業績によりROEが非常に高い水準となりました。

2024年3月期は、業績の落ち着きとともにROEは低下傾向にあります。

収益性の指標:

ROEは、企業が自己資本をどれだけ効率的に活用して利益を上げているかを示す指標です。

商船三井のROEの変動は、同社の収益性が海運市況に大きく左右されることを示しています。

株主優待

①「にっぽん丸」クルーズ優待券 (3月末・9月末)
※優待券1枚で、1名様1クルーズの旅行代金を正規料金から10%割引。
※ただし、30日間以上のクルーズは3%割引。
※1名様1クルーズ2枚まで利用可能。

株数枚数
100株以上2枚
1500株以上4枚
3000株以上6枚
商船三井の株主優待

②フェリーサービス共通クーポン券(9月末)
※自社グループの商船三井フェリー株式会社および株式会社フェリーさんふらわあの2社が運航するフェリーで利用可能。
※クーポン券1枚につき、フェリーの旅客運賃から5,000円割引(貨物運賃や法人料金は適用外)。
※大人1名様1乗船1枚の利用。

株数枚数
100株以上1枚
1500株以上2枚
3000株以上3枚
商船三井の株主優待

③自社オリジナルカタログ3000円分(3月末)
※300株以上保有
※2年以上継続保有:3月末日および9月末日時点の株主名簿に、同一株主番号で5回以上連続で記載または記録されること。

今後の株価の見通し

結論から言うと、長期的な目線で株式を保有するのをすすめる企業である。

今後の株価に関する意見:

  • 商船三井の株価は、海運市況の変動に大きく影響を受ける可能性が高いです。
  • しかし、同社は事業の多角化や成長分野への投資により、収益基盤の安定化を図っています。
  • また、財務状況も改善しており、安定的な成長が期待されます。
  • 配当政策も株主への還元意識が感じられる為、今後の業績次第では増配も期待できます。

株価に影響を与える可能性のある要因:

  • 海運市況の動向:
    • 商船三井の業績は、コンテナ船、ばら積み船、タンカーなどの市況に大きく左右されます。
    • 世界経済の成長、貿易量の増減、燃料価格の変動などが市況に影響を与えます。
    • 地政学的なリスクも考慮する必要があります。
  • 事業戦略の展開:
    • 商船三井は、LNG輸送や海洋事業など、成長分野への投資を積極的に行っています。
    • これらの投資が将来の収益にどう貢献するかが、株価に影響を与えます。
    • 環境問題への取り組みも重要です。
  • 財務状況:
    • 自己資本比率やキャッシュフローなどの財務状況は、企業の安定性を示す重要な指標です。
    • 健全な財務状況は、投資家の信頼を高め、株価を支える要因となります。
  • 配当政策:
    • 商船三井は、業績に応じて配当金を変動させる方針を取っています。
    • 安定的な配当や増配は、投資家にとって魅力的な要素となり、株価に影響を与えます。
  • 市場全体の動向:
    • 株式市場全体の動向も、個別の株価に影響を与えます。
    • 金利動向、インフレ率、景気動向などが市場全体のセンチメントを左右します。

 さて、いかがでしたか。ただ100株で50万円近くするので、投資初心者で複数単元保有するは大変かと思う。
 そういう時は無理せずに1単元(100株)保有するだけでも確かなキャッシュフローを得ることができるはずだ。

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